置鍼の意義
小宮式は置鍼術をベースにしています。特に目の周りに鍼を20本(両眼)程度、刺したままの状態で患者さんには休んで頂きます。
目の周りは刺激に敏感な部位です。太い鍼で何箇所にも深く鍼を刺していくと、刺激過多や内出血のリスクが、それだけ高くなります。そのため、細い鍼で浅刺しを行い、代わり置鍼を行うようにしています。そして、鍼の種類や番手、また置鍼時間は患者さんの感受性や症状により変えます。小宮式では通常、首肩背中の鍼は7分程度置鍼、目のまわりの鍼は20分を目安に置鍼します。
◆置鍼術の注意点
鍼が密集してくると、押し手が作りにくくなります。鍼が刺さっている傍に再び押手を作る際、患者さんは刺さってる鍼が押されるので痛みを感じることがあります。また、患者さんが急に身体を動かすと危ないので、見守りや声掛けを行うようにします。施術後、鍼の抜き忘れにも注意が必要です。
◆置鍼のメリット・デメリット
置鍼術を用いることで得られるメリットは少なくありません。例えば置鍼術を用いることで、一人で複数人の患者さんを同時に治療することが可能です。複数の鍼灸師がチーム体制で一人の患者さんを治療することも可能です。ベットが複数台ある中規模治療院などでは1日に治療できる患者さん数を増やすことが出来ます。
一方で、ベットが1人の患者さんに長時間(60~90分)占有されてしまいます。そのため、ベット1台の小規模治療院や、ベットが数台しかない治療院では、1日に治療できる患者さんの数が限られます。
◆置鍼中の患者さん
置鍼中に寝ている患者さんは少なくありません。鍼の刺激は時間とともに和らぎ、心地よい響きのなかで副交感神経が優位になり、リラックスした状態で休んで頂けます。置鍼時に瞑想などを独自に行っている患者さんもいます。