肩甲間部を治療する意義は、大きく二つに分かれます。一つは「背中のこりを取る」、もう一つは「自律神経を整える」です。
1、背中のこりを取り除く
目を酷使すると、首肩と伴に背中もこってきます。デスクワークでは、長時間の座位姿勢保持により、脊柱起立筋、広背筋や菱形筋などが過緊張及び筋疲労を起こします。特に、眼精疲労により視機能が低下してくると、PC画面や紙面に顔(目)を近づけようとして、気づかないうちに猫背姿勢になっています。
特に、眼病や目の不具合などで視機能に問題がある場合は、対象物に顔を近づける傾向が顕著です。また、両眼視機能に問題がある方は、体幹をひねって視線を合わせる習慣がありますので、後天的な側弯症など脊柱に歪みが生じている場合が多く、肩甲間部に著明な筋緊張を認めるケースが少なくありません。
つまり、眼精疲労や目の不具合が原因で、脊柱を中心とした骨格の歪みを生じることがあり、それが肩甲間部をしっかりと治療する理由です。実際に、当院を受診する眼精疲労の患者さんの半数以上が肩甲間部に「コリ感」や「痛み」を訴えます。
小宮式は、基本穴として肺兪、心兪、肝兪を目安として、筋硬結に刺鍼を行います。肩甲間部の筋緊張が強い場合は、追加で刺鍼を行います。
(参考)目の状態と姿勢パターン
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