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オアシスはり灸治療院
併設:眼精疲労治療室
TEL 03-5980-7511

〒114-0023

東京都北区滝野川
7-8-9日原ビル3階

治療概念~よく頂く質問を中心に


こちらでは、よくある質問にお答えする形で、小宮式眼精疲労鍼について解説していきます。

◆一般的な眼精疲労治療とは、どのようなものですか。
眼科の眼精疲労外来では、まず目に病気がないかどうか調べたり、眼鏡やコンタクトの度数を調整します。異常がなければ、疲れ目の目薬や毛様体筋の緊張をとるミオピンなどの目薬を出してくれます。また、ドライアイがあれば、その治療を行います。

施設は限られますが、眼科併設の眼精疲労治療室があります。こちらでは、はじめに目を洗浄し、目の温罨法と冷罨法(目をホットパックで温めたり冷やしたりします。)を行い、こめかみ部への低周波療法や目の周りのマッサージ、赤外線やスーパ^ライザーなどを行うのが支流のようです。最近では、ワックなどの器械を置いているところもあります。

眼科での眼精疲労治療、及び眼科併設の眼精疲労治療室について
眼科医療における眼精疲労治療の位置づけは、保険診療との兼ね合という問題が大きい。多くの眼科では、第一に眼疾患の診断と治療、及び手術が優先となる。加えてコンタクトレンズ診療があるため多くの患者を診察する必要がある。また、保険加算との兼ね合いも含めて眼精疲労治療の優先度は必ずしも高くないし、施術スペースの確保が難しいという実情もある。

・眼精疲労治療を一般診療とは別に行っている施設はごくまれ。
・保険併用の施設もあり料金は安価だが施術時間は20~30分程度

通常の治療院も含め、眼精疲労の治療は、マッサージ、低周波。温罨法、レーザー治療が一般的です。尚、眼精疲労専門サロンや整体院は散見される。

◆小宮式眼精疲労鍼とは、どのようなものですか。

小宮式眼精疲労鍼は「鍼」を使用し、鍼灸師が治療を担当します。首や肩、目の周りや頭部にも鍼施術を行います。鍼は古来より、実に様々な症状の改善に効果を発揮してきました。当院は、現代病である眼精疲労に対して、独自の鍼の手法で治療に取り組んでいます。

◆小宮式眼精疲労鍼では、鍼以外の治療は行っていないのですか?
眼精疲労に対して、目の周りのツボ押しやマッサージだけで、必ずしも高い効果が得られるとは思いません。また、低周波は市販でも販売されている器具なので、それ以上に特別な効果が得られるとは言えません。
鍼は、鍼灸師または医師のみしか施術することはできないものですので、希少価値は高いと思います。目の鍼が苦手な方には、てい鍼療法を行っています。

なぜ眼精疲労治療に鍼が有効か?(眼精疲労の二つの特徴)
⦁ 眼精疲労の原因患部は、狭くて深い。
(指では届かず、無理に行うと眼球を圧迫してしまう。)

⦁ 眼精疲労の症状は全身に及ぶ
(目の周りだけ施術しても改善が得られない。)

それでは詳しく見ていきましよう。
・鍼は指先では届かない深部を直接刺激できる。
 眼精疲労の多くは、眼窩部に蓄積されたコリが原因。

・鍼は刺したまま置くことができる。
 目の奥まで刺激を浸透させるには鍼を20分以上刺したままにするのが良いでしょう。

・広範囲に施術可能。
 眼精疲労は目だけではなく、頭部・首肩・背中・胃腸・自律神経といった広範囲に影響を及ぼします。

鍼による治療法は様々です。小宮式眼精疲労鍼では、硬結置鍼術(こうけつちしんじゅつ)という独自の療法を用いています。ここでは「硬結」と「置鍼」という言葉に分けて説明していきます。

「硬結」とは?
最近では、硬結のことをトリガーポイントと呼びますが、これは、筋内部にできる「こりの核」のことです。指で筋肉に圧を加えていくと、シコリのような感覚がえられます。そして、患者さんはピンポイントで痛みを感じます。

例えば、どんなに強いマッサージを受けても良くならない頑固な肩こりの人でも、その硬結部にピンポイントで鍼をすると、一瞬で肩全体のコリが取れるということが少なくありません。

私たちは、何万件と眼精疲労の患者さんを治療していく中で、重度の眼精疲労の患者さんには、共通した硬結部位があることが分かってきました。いわば、眼精疲労のトリガーポイントです。その正確な位置は、患者さんそれぞれで微妙に異なりますので、治療には高度な触診技術が必要となります。また、硬結部は極小なので、やはり鍼が治療には適しています。

置鍼とは?
鍼には様々な施術方法があります。鍼を刺さない「接触鍼」、鍼を刺して直ぐに抜く「単鍼術」。そして、鍼を刺したまましばらく置いておく「置鍼術」などがあります。

小宮式眼精疲労鍼では、主に「置鍼術」を行います。先ほどの硬結(眼精疲労のトリガーポイント)に鍼を刺したまま置きます。鍼の数は、目の周りだけで少なくとも20本ぐらいとなります。20本の鍼を目の周りに刺したまま、およそ20分~30分間、目を閉じたまま休んで頂きます。

当院ほど多くの鍼を目の周りに刺す鍼灸院は、全国でも稀だと思います。しかし、当院の患者さんは、大学病院や名医と呼ばれる眼科医の治療を受けても症状が改善しないような方が少なくありません。そのため、重度の眼精疲労を治療していく中で、現在の治療方法に至っています。

◆自律神経と自然治癒の関係
人体において、ダメージを受けた組織が修復される仕組みを「創傷治癒」と呼びます。創傷治癒には、自律神経、すなわち交感神経と副交感神経の働きが深く関与しています。

皆様も風邪を引いた時など、熱が出たり、心臓がドキドキしたりしたことがあるかと思います。これは体内に侵入した細菌と戦うため、交感神経が優位になることで起こります。これを炎症反応と呼びますが、身体を守るために必要なプロセスです。その後、身体は副交感神経を優位にして自然治癒を促します。

◆置鍼によって促される自律神経調整作用
鍼を体内に刺入するということは、瞬間的に組織に「傷」を作ることになります。(傷と言って鍼の直径は髪の毛と同じぐらいなので、身体にダメージを与えるものではありません。

ですから、鍼を刺した直後は、交感神経系が働きます。患部の周辺の血管は拡張し、白血球なども活性化します。その後、副交感神経が優位になり、患部に対して治癒機構が働きます。

20分~30分という置鍼によって、一連のプロセスを効果的に誘発できると考えています。副交感神経による自然治癒は、鍼を抜いた後も持続します。眼精疲労の改善は、治療直後よりも、睡眠をとった翌日の方が、より実感できるというケースが多いです。

治療内容について

◆どこに鍼を打ちますか
標準治療では、首、肩、背中、目の周りに鍼をしていきます。首肩背中には、様々なツボ(経穴)がありますので、症状に応じていくつかのツボを組み合わせて鍼をしていきます。以下は、当院が使用するツボ(図)。

天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、天柱・上天柱(かみてんちゅう)、風池・上風池(かみふうち)、完骨(かんこつ)、肩井(けんせい)、肩外兪(けんがいゆ)、膏肓(こうこう) 天宗(てんそう)、肺兪(はいゆ)、心兪(しんゆ)、胃兪(いゆ)、腎兪(じんゆ)など

また、後頭下筋群は、ツボを狙うよりも、触診で筋硬結部を探り当て、直接刺鍼するのが良いでしょう。後頭下筋群への鍼は小宮式眼精疲労鍼の最重要ポイントです。

目の周りには、あまりツボ(経穴)が存在しません。経穴は2000年前の時代に体系化された概念なので、その時代は当然PCやスマホで生じるような眼精疲労の症状がなかったのでしょう。目の周りに関しては、眼精疲労のトリガーポイント(当院独自)に鍼をします。

◆何本ぐらい鍼を刺しますか?
標準治療では、首肩背中に12~20本、目の周りに12~20本の鍼を使用します。これは最低限の本数ですので、実際は患者さんの症状に合わせて、鍼の使用本数は、もう少し多くなります。当院では鍼の本数で治療費用が変わるということはございません。

◆鍼の響き(ひびき)とは、どのようなものですか?
鍼を刺入していくと、ある地点で「ジーン」「ズーン」という感覚が得られます。これは、鍼のひびきと言われるもので、鍼を刺した直後に生じる「チック」とした感覚とは異なるものです。

鍼に慣れている患者さんは、この響きを「気持ち良い」「効いている」と感じられます。一方、鍼が初めての方であったり、鍼の感覚があまり得意ではない人にとっては、この響きがかえってストレスになります。ただ、治療を継続する中で、ひびきがあった方が、治療後の改善度が高いと実感できるため、この響きの感覚にも慣れてきます。

まれに、鍼の刺激自体が非常に苦手な方がいますが、その場合は刺激の少ない鍼、または提鍼で治療を行うことも可能です。

◆治療時間はどれぐらいですか?
目・首肩背中に鍼を行う標準治療では、70分の予約時間をおとりしています。これは、着換えの時間や問診などの時間も含めた時間ですので、実際の施術時間は60分位となります。

治療は長ければ良いというものではありません。患者さんの状態によって治療時間は異なってきます。また、目の周りのみを集中的に治療するコースの場合は40分の予約時間をおとりしています。

◆眼精疲労以外の治療も同時できますか?
眼精疲労の標準治療では、目・首肩背中に鍼を行います。患者さんの中には、腰痛や五十肩、変形性膝関節症などの運動器疾患を伴っている方が少なくありません。
また、難聴や耳鳴り、生理痛、などの症状も同時に治療可能です。
その場合は、標準治療に一部位追加するか、部位を限定せず全身を治療する総合コースがあります。そのような場合は、治療費用が異なってまいります。

◆他院での治療と、違いはありますか?
当院の眼精疲労治鍼は、目の周りに打つ鍼の本数が非常に多いことが特徴です。
患者さんの中にには「他院での眼精疲労治療は目に鍼を打っても数本程度で、あまり効果が感じられなかった。」ということで、遠方であっても結局当院へ治療を受けに来るというケースが少なくありません。もちろん、治療には各々、合う合わないがありますので、当院の治療が絶対ということはありません。

◆鍼通電療法は行いますか?
私の出身学校である筑波大学付属盲学校は、鍼通電療法(パルス)の本家です。そのため、高水準な鍼通電技術を習得しています。しかし、当院の眼精疲労治療では鍼通電療法は行っておりません。

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