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オアシスはり灸治療院
併設:眼精疲労治療室
TEL 03-5980-7511

〒114-0023

東京都北区滝野川
7-8-9日原ビル3階

第三章

眼精疲労の代表的な症状

第四章では、眼精疲労の具体的な症状について、現代医学的な見地、及び臨床経験から解説します。

症状1、目が疲れる・・ピント調節、近視の進行

症状2、目が痛い・・・眉間痛、こめかみ痛、目の奥痛 (清明・攅竹・太陽)

症状5、首が痛い・・・後頭下筋痛、ムチ打ち症(天柱・風池・寛骨)

症状3、瞼が重い・・・眼瞼下垂、目のぴくぴく

症状4、目が乾く・・・ドライアイ

症状6、目とめまい・・眼精疲労性めまい

症状8、目と自律神経

症状7、美容への影響・目のくま、しわ、むくみ

症状1】
目が疲れる、視界がぼやける、ピントが合いにくくなる

毛様体筋の疲労によるピント調節不全

目が疲れる原因のひとつに、ピント調節機能をつかさどる毛様体筋疲労(平滑筋)があります。物を見るということは、物にピントを合わせることです。ピント調節には、水晶体と毛様体筋とチン小帯という組織が深く関わっています。

水晶体は、角膜の後方にある透明なレンズです。水晶体は、毛様体筋に付着した「チン小帯」でピンつと引っ張られた状態で固定されています。この糸が緩むと水晶体はテンションから解放されて厚くなります。

通常、遠くを見ている場合や安静時は、毛様体筋の緊張は緩み、水晶体は薄くなります。一方、近くを固視した場合、毛様体筋が緊張して、水晶体は厚くなります。つまり、ピント調節には毛様体筋の緊張が深く関わっています。長時間、PCやスマホ画面を見続けると、毛様体筋が常に緊張した状態になるので、筋疲労が起こります。これはピントフリーズ現象とも呼ばれてます。

遠視や過矯正

もともと視力が良い人や、眼鏡・コンタクトの度数が強めの人は、水晶体を「より厚く」しなければ近くにピントが合わないので、眼精疲労になりやすいと言えます。

老眼

子供の水晶体は水分が多く柔軟性に富んでいるので、強いピント調節力を有しています。しかし、加齢と伴に水晶体は水分と弾力性が減少して硬くなっていきます。固い水晶体を一生懸命に変形させて、頑張て近くの物を見続けることで、毛様体筋に大きな負荷がかかります。特に、40代以降は眼精疲労になりやすいので注意が必要です。

◆コラム「若年性老眼・スマホ老眼」とは

最近、若年性老眼・スマホ老眼という言葉をよく耳にします。そして、実際に自分も「スマホ老眼かも」と、当院を受診する患者さんが増えています。 そもそも老眼とは、40代半ごろから起こる視機能の「衰え」です。ピントを調整する「水晶体の弾力性」が弱まることで、自動的にピントが合う範囲が狭くなる、また近くにピントが合いにくくなる症状を示します。 

一方、 若年性老眼・スマホ老眼は、老眼とは無縁の世代でも、近くにピントが合わなくなってしまう症状です。皆さんも、パソコンやスマホ画面を長時間見続けた後、手元の文字を頑張って見ようとしても焦点が合わなくなる経験があるかもしれません。近年のタブレット、スマホやポータブルゲーム機の普及により、子供の頃から近距離で液晶画面を、長時間見続けるという生活習慣が一般的となっています。人によっては、仕事でPCを長時間見て、趣味やプライベートでスマホやタブレットを長時間見るという日常が続きます。 これが、いったいどれほど目に負担がかかるかは容易に想像がつくことでしょう。 

 スマホやゲームに夢中になると、何時間も毛様体が強く収縮した状態が続き、過度のピント筋疲労の状態となります。これは、頑張って、無理をしてピントを合わせ続けているという状態です。やがて限界を超えるとピント筋は動きにくくなり、頑張っても近くに焦点を合わせられなくなります。

こうなると、睡眠や休息をとっても症状が回復しない眼精疲労となり、PCやスマホの画面を見ることが困難な目の状態になる場合も少なくありません。

一方で、毛様体筋は平滑筋であるため、筋収縮の持続性は高く、耐久性に優れています。それでもなお、ピントが合いにくくなるという症状を考えたとき、ピントを一点に合わせようとする意識(脳からの神経伝達)が弱まり、毛様体筋が思うように働かなくなる場合があります。これは脳疲労や精神疲労で起こるとされています。「目の酷使」と「精神疲労」が重なっているケースでは精神的ケアも重要となります。

◆スマホ老眼の症状 
・手元にピントが合いづらくなる。 
・目に力を入れないと近くが見れない。 
・視界が霞む 
・スマホの画面を見ると、すぐ疲れる。
・眼球が熱を持ったように感じる
・目の周りがこわばる。
・まぶたが下がってくる。
・スマホを見ると頭痛がする。
・スマホを見ると首肩が異常にこる。 
・集中力が著しく低下する。 
・気づくと片方の目だけで見ている。 
・片方の目のまわりや奥が常に痛い 。

症状2】
 目が痛む(眉間痛、こめかみ痛、目の奥痛)

パソコンやスマホによる眼精疲労性疼痛

目を使い過ぎると、「みけん」や「こめかみ」、「目の奥」がズキズキして、睡眠をとっても、鎮痛剤を飲んでも痛みが取れない場合があります。ひどい場合には、朝、目の痛みで目が覚めたり、目の痛みで眠れなかったり、これらはQOLを著しく低下させるほど深刻な症状です。 多くの場合、痛みは次の3か所で起こります。(4については、後述)

これらの「眼精疲労性疼痛」が慢性化すると、顔や頭の全域に張り巡らされ三又神経が過敏状態となります。その結果、顔の三又神経痛をはじめ、頭がしめつけられるような緊張型頭痛、頻繁な片頭痛や難治性の頭痛症候群を来す場合もあります。そのような場合、元をたどると目の痛みから始まった、という方が少なくありません。

◆みけん頭痛と三叉神経の関係性
三叉神経(さんしゃしんけい)は、12対ある脳神経の一つで、主に顔の感覚や痛みを検知する神経です。脳幹から出た三叉神経は3枝に分岐し、それぞれ顔面や頭部の感覚を脳に伝える役割を担っています。 また、三叉神経は硬膜や脳血管にも分布しており、頭皮筋膜だけでなく、頭蓋内でも痛みを発生させます。

目を酷使すると、みけん部分に硬結(コリの核)ができます。みけんの硬結は血管や神経を刺激して、みけん痛を起こします。さらに硬結が固く大きくなると、頭にジンジンといった放散痛を起こします。また、第一枝の三又神経痛により、他の神経枝も過敏になることがありますので、側頭部や顔全体、後頭部や首に至るまで、広範囲に痛みが放散した状態(神経過敏)となる場合があります。 

逆に、みけん部に生じた固く大きくなったコリの核が消失、または小さくなれば、みけん部の「いやな痛みの持続、頭に放散するジンジンとした頭痛や三又神経痛」は緩和する可能性があります。 

◆こめかみ頭痛について
次は、こめかみから側頭部にかけて「孫悟空の輪っか」の様に、締め付けられる「こめかみ頭痛」についてです。


◆なぜ「こめかみ」が「こる」のか?
人間の場合、両眼で遠方を見た時の視野角は、およそ200度です。一方、近距離の一点に焦点を合わせた場合は10度以下まで視界が絞り込まれます。そうすることで、周りの余計な物が目に入らず、コメ粒ほどの小さい物体を正確に見ることが可能となるのです 。では、近くの一点を集中的に見る際に、私たちの目はどのような状態になっているでしょうか。


◆近くを凝視するときの3作用 (近見反応)
・毛様体筋が水晶体を厚くしてピントを近くに合わせる。
・瞳孔を収縮させて視界を絞り込む。
・眼球を内側に寄せて両眼視する。 

これで近くの一点に焦点が合うのですが、実際は「目を細める・目の周りに力を入れる」という眼輪筋や側頭筋による補助作用が、加わります。

◆近見時における眼輪筋と側頭筋の緊張

疲れていても頑張る時、眠くても集中しなければならない時、緊張やストレスを感じている時、仕事で長時間PCと「にらめっこ」している時、緊張しながら試験を受けている時、夢中でスマートフォンを凝視している時など、様々な状況下で「目の周りの筋肉、特にこめかみや側頭部」に負荷がかかります。

◆こめかみと頭痛
こめかみから側頭部にかけて、感覚を脳に伝える三又神経後頭神経が植物の根のように張り巡らされています。凝り固まったこめかみや側頭部の筋肉は、これらの神経を刺激します。その結果、頭が締め付けられるような頭重感やジーンやズキズキといった痛みが生じます。


さらに、遠視や乱視、斜視・斜位、視野異常などがある場合は、この傾向が顕著になります。例えば、外斜位がある場合を見ていきましよう。 

私たちは、近くの一点を見る時、自然と寄り目になります。脳が最適な画像処理を行うために、目の筋肉(内側直筋など)に指令を出して、寄り目の状態にします。もともとの眼位が外向きの人は、目を寄せるのに多くのエネルギーを使用します。ですから、パソコンやスマホを見続けると目も脳も疲れてしまいます。 眼外筋の緊張と連動して、目の周りの筋肉も内下方に収縮しますので、特にこめかみ、側頭筋に大きな負荷がかかります。

◆遠視、斜視や斜位がない人でも重症化

かつて、重度の「こめかみ頭痛」で当院を受診する方は斜視や斜位、遠視の方が多かったのですが、現在では特に目や視機能に異常がない方でも、重度の症状を訴える方が急増しています。

スマホ画面は文字や画像が小さく、焦点距離も非常に近くなります。スマホを見続けるためには、より目を内側に寄せ続ける必要があります。やはり、過度のスマホ使用は、こめかみや側頭部に甚大な負荷がかかるのだと思います。 

◆目の奥が痛い(追加)

【症状】
3瞼の不具合

眼瞼下垂や眼瞼痙攣で悩む患者さんの治療に取り組み始めたとき、まず調べたのが「人間の瞼の構造」(後述)でした。特に、上眼瞼挙筋が眼球後方から、瞼をてこの原理で引き上げる構造に衝撃と感動を覚えたのが10年前です。

ごく限られたスペースに、合理的な形でコンパクトに収納されている。

それが人体。

だから、医学は面白い。

ここでは、上眼瞼挙筋を中心に、眼精疲労と瞼について解説します。

瞼に生じる症状や病気

眼精疲労による瞼重感をはじめ、眼瞼下垂、眼瞼痙攣、顔面麻痺などは、いずれも瞼を起因とした症状です。また、瞼の不具合が、ムチ打ち、頸部外傷、肺尖部腫瘍、重症筋無力症など、離れた部位または、全身的な病気が原因である場合もあります。

まぶたが不具合を起こす原因を検索し、まぶたの働きを正常化させるには、どのようにアプローチすれば良いのでしょうか。

瞼と眼精疲労(瞼の3構造)

私たちは一日に1万5千回~2万回のまばたきを行っています。瞼は、閉じる際に「眼輪筋」が作用し、開ける際に「上眼瞼挙筋」が作用します。また、目を大きく開ける際は「ミューラー筋」が作用します。その他に「前頭筋」「側頭筋」「後頭下筋」などの補助筋も作用します。

物を集中して見るためには、瞼をしっかりと開け続ける必要があります。疲れていたり、眠いのを我慢して、瞼を一生懸命に開けようとすると、当然その筋肉は疲労します。

では、目を見開くための筋肉は、どこから、どこへつながっているのでしょか。

上瞼(うわまぶた)は、上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)が収縮することで挙上します。目を開ける動作を考えると、筋肉は「おでこ」の方につながっていると思われがちですが、違います。瞼を開くための上眼瞼挙筋は、目の奥へと長く伸びていき、目を動かす筋肉と伴に視神経の鞘(さや)に接着されています。

これにより、瞼を吊り上げるとい言うよりも、「てこの原理」で後方から引っ張り挙げるという作用です。瞼を持ち上げるには、それなりの力量が必要なので、理にかなった構造だと言えます。

しかし、この構造ゆえに、目を酷使すると、眉間から眼球上部に沿って、目の奥が痛くなるという症状を来します。また、力学的にも頭の付け根(ぼんのくぼ)あたりで、上眼瞼挙筋の収縮を支持しますので、後頭部や首の後ろが凝ってしまいます。ひどいと、瞼を持ち上げるたびに、後頭部がズキンと痛むケースも生じます。

瞼を挙げる筋肉には、メインの上眼瞼挙筋の他、ミュラー筋、前頭筋などがあります。瞼の先には、軟骨で出来た瞼板(けんばん)が付いており、内部には「涙の成分の一つである油分」を分泌すマイボーム腺が備わっています。瞼板は、ファスナーのように、上瞼と下瞼が、ジッパーでピッタリと閉じるようになっています。その瞼板に付着し、瞼をより上方へと引っ張り挙げるベクトルを生み出すのがミュラー筋(後述)です。ミュラー筋は交感神経優位で活発に働きます。そのため、交感神経が遮断されると、瞼が微妙に下がった状態となります。

さらに、注視(集中して物を見る)を行うためには、目を閉じる眼輪筋と目を開ける挙筋+ミュラー筋が同時に収縮した状態となり、その持続にはエネルギーを消費します。

目を、より大きく開くために働くミューラー筋

よく、「目ヂカラ」という言葉を聞きます。映画やドラマやアニメでは、主人公が逆境から這い上がり、起死回生の一手を打つときに、主人公の大きく見開いた目がクローズアップされるシーンを良く見かけます。

この時、ガンガンに働いているのが上瞼のミューラー筋です。交感神経線維が接続していますので、身体を鼓舞する時や、高揚している時、緊張した時、動揺した時、怒った時などに、積極的に反応します。また、首や肩の筋緊張(筋収縮)とも連動していますので、肩に力が入ると、瞼にも力が入ります。

尚、交感神経鼓舞作用(火事場の馬鹿力)を発揮する際には、目を大きく見開く、また、歯を強くかみしめる(歯の歯根膜には交感神経線維が接続)などが、トリガーとなります。

上記は、極端な例ですが、瞼は眼輪筋、眼瞼挙筋、ミューラー筋の三者が協調しながら、一日2万回にも及ぶ瞬目、感情などの精神状態を伝えるアイ・ラングエッジ、まぶしい光を防ぐ細目など、日常的にフル活動しています。

症状5、首が痛い

「目を使い過ぎる」と「頭の後ろ側」が痛くなる。
目の疲れを感じる人の多くは、同時に首のこりを感じています。実際に当院を受診する方の大半が目と合わせて首の治療を行っています。特に後頭部と首の境目。これは「じょうこうせん」「ぼんのくぼ」、などと言われますが、ここの奥に鍼をして欲しいと、切に希望される患者さんが少なくありません。

一見すると「前え側」と「後ろ側」で離れていて、関連性がないように思います。しかし、実は目を支えているのが首の後にある、その名も後頭下筋(こうとうかきん)という筋肉なのです。

◆後頭下筋(こうとうかきん)とは
私たちの身体を構成する筋肉は約600個あり、それぞれが役割を持っています。その中で、後頭下筋群は「目の焦点合わせ」に用いられるピント補助の役割があることが分かってきました。 前述の通り後頭下筋は、眼球とは離れた場所にあります。実は、その離れた場所に位置しているのがポイントなのです。

同じ首(後ろ側)にある筋肉に、僧帽筋板状筋肩甲挙筋脊柱起立筋などがあります。これらの筋肉は、首や肩甲骨のダイナミックな動きを可能にし、かつ長時間にわたり思い頭部をを支えることができるほど強靭です。

一方、後頭下筋は首の最深部にある細くて小さな筋肉で、解剖学的にもマイナーな扱いです。しかし、これらが働き続けることで、精密な眼球運動がスムーズに行えるのです。それでは、後頭下筋について詳しく見ていきましよう。

◆後頭下筋の特徴
1、近くを凝視する時に緊張する。
1、目を動かす時に緊張する。
2.まぶたに力を入れる時に緊張する。

⇒実際に、近くを凝視しする時、眼球を動かす時、目の周りに力を入れる時、後頭部を指で触ると、後頭下筋にも力が入ることが分かると思います。 さらに機能解剖的に見ていきましよう。

◆首の第1・第2頸椎を斜めにつなぐのが「下頭斜筋」。首を横にひねる「回旋」の動きを担い、首が前傾したスマホ姿勢、PC作業で左右に目を動かす際に負荷かかかります。

◆後頭下筋群のうち後頭部の頭蓋骨と、第1・第2頸椎をつなぐ「小後頭直筋」「大後頭直筋」は、どちらも首を伸ばす(後に傾ける)動きを担っています。頭を下向きに固定した状態で、眼球を上下に動かす際に負荷かかかります。

例えば、右目を内側に寄せるときは、後頭下筋が収縮し頭部が内側にズレないように固定します。スマホ画面を見る際は眼球を内下方に向けますが、眼球の動きにつられて頭部がない下方に向きすぎないよう、左右の後頭下筋が緊張し頭部の回旋を抑制します。スマホ画面のスクロールなどに合わせて眼球が素早く動きますが、それに連動して後頭下筋も動きます。

つまり、後頭下筋は、眼球が脳の指令に基づいて、対象に正しく焦点が合わせやすくなるように頭部を固定するという役割を担っています。これは、カメラでいう手振れ防止機能の役割と似ています。

私たちは、大きく揺れる電車の中でスマホを見ることができます。また、走りながら腕時計を見ることができます。これは眼球の動きと首の動きが反射的、かつ自動的にリンク出来ているからです。かつては「めまいは耳鼻科」と言われていましたが、スマホで目を酷使する昨今は、眼球運動がスムーズに行かず、浮遊性のめまいを発症するケースを当院では多く治療しています。

目の酷使は、同時に首を痛めます。さらに身体をもむしばみます。 眼球機能が低下すればするほど、眼球をアシストする首の筋肉の負担が増えてしまいます。やがて首から肩へ、そして背中へと負担がドミノ式に波及し、ついには自律神経にまで影響がでてしまうのです。

◆後頭下筋ロッキング現象とは~岩のようなこり(ロック)ができ、眼球機能を阻害(ロック)。~

後頭下筋群は負荷がかかり続けると、非常に硬い「こり」の状態となります。首はデリケートな部分なので指圧 やマッサージで強い刺激を加えるとは禁物です。私たちは、鍼による繊細な刺激で、凝り固まった後頭下筋にアプローチします。後頭下筋治療に関しては、およそ5万例以上の治療経験があります。

後頭下筋硬化(ロック)の原因
・過度なPC
・スマホ操作による眼精疲労
・合わない眼鏡やコンタクトの使用
・斜視や斜位による眼筋への長期的な負荷
・動眼神経麻痺などによる眼球運動障害
・緑内障による視野欠損
・網膜の障害による視界のゆがみ
・シックハウスなどによる滑動性眼球運動障害
・レーシックや目の手術による不具合
・精神不安による 後頭下筋の過緊張
・浮遊性のめまい、歩くとゆらゆらするなど。
・画面スクロール時など視界がクラっとする。
・動くものを見続けると疲れる
・近くの物に焦点が合いにくい・
・後頭部の痛み、こり
・首肩背中の連鎖痛
・自律神経失調症

★コラム むち打ち(首の不調)と眼精疲労

首肩は、離れた場所にありますが、両者をつなげる神経ネットワークがあります。この首肩から目につながる神経(頚部交感神経)については、意外と知られてません。ここでは、首の不調眼精疲労について解説します。特に、むち打ちなど、過去に首を痛めた経験のある方などに、出ることがある症状です。

例えば、肺の先端にできた腫瘍により、肩の神経が圧迫されると、まぶたが下がる眼瞼下垂の症状を呈することがあります。これは、パンコースト腫瘍によるホルネル症候群(頸部交感神経麻痺症)と呼ばれます。

このような特殊なケースでなくとも、頸椎捻挫(むち打ち)によって、瞼が開けずらい、光がまぶしい、目が異常に疲れるといった眼精疲労症状を起こすことがあります。

これは、バレ・リュー症候群(頚部交感神経亢進症)と言い頚部交感神経が刺激されることで、交感神経が接続している目(瞼・瞳孔・ピント調節)に症状が出る場です。目の症状だけでなく、自律神経失調症により頭痛、発汗、めまい、耳鳴り、全身倦怠感などの実に様々な症状を呈する場合もあります。

目につながるに交感神経作用

  • 瞳孔散大
  • ミューラー筋(瞼を挙上する筋)
  • 涙腺減少
  • 目を見開いて遠くを見る

交感神経の働きによって、瞳孔が広がり、瞼が大きく挙上されます。これらの反応は遠見反射、つまり遠くをしっかりと見る場合に起こる反応です。交感神経が優位になると副交感神経の働きが抑制されるので涙腺による涙の分泌量が減少します。

瞼を閉じて目を休めたり、近くを見てリラックスしたい時でも、交感神経が高揚した状態が続くと、目や身体は意に反して緊張状態が続いてしまいます。これが眼精疲労を引き起こすのです。

実は最近になって、むち打ちなどのエピソードが無いにも関わらず、同様の症状を来す患者さんが増えています。原因は、恐らくスマートフォンです。長時間、スマートフォンを見ることで、首を痛め、その跳ね返りとして、目を中心とした自律神経失調症を来す、いわゆるスマホ首です。

症状7、美容への影響
(1)眼精疲労は目の輝きを失わせる

目の輝きは、健康美を求めるうえで必要不可欠な要素です。ところが、目を酷使していると、瞼はむくみ、目の下にクマなどができてしまいます。これらは、目がくぼんたようにんり、暗い印象となります。

また、眼精疲労が重度になると、瞼が重く下がってきたり、ドライアイで目を開けているが辛くなってきます。瞼を無理に開けようと、目に力が入り続けると、目の周りにしわが形成されてしまいます。エステを何度受けても、目元のトラブルが再燃してしまう。それは、目の美容には、眼精疲労の改善が不可欠だかです。

(2)目が乾いていると、目の周りに”しわ”が出来やすい

「目の乾き」と「しわ」、一見関連がなさそうに思えますが、ドライアイの人ほど、目の周りに”しわ”が出来やすいという傾向があります。 私達は、目が乾くとギュッと強い瞬きをして、涙の分泌を増やし、目を潤わそうとします。ですから、目が乾いた状態が続くと、自然と強い瞬きの回数が増えていきます。

強い瞬きは眼輪筋を収縮させて行いますので、これが習慣化すると目の周りがこわばります。 固くなった眼輪筋により表皮が引っ張られ、しわが出来やすい状態となってしまいます。形状が記憶されてしまうと、完全に目立つしわが出来てしまいます。

年齢が若くても、次のような人は要注意です。

・長時間のパソコンやスマホで目が乾きやすくなる。
・目がパッチリ大きい人ほど、目が乾きやすい。
・コンタクトレンズを長時間使用しいてる。
・乾燥したオフィスなどで長時間過ごす。

つまり、目が疲れやすく、目が乾きやすい人ほど、目の健康美に関するケアが必要です。これは、女性だけに限らず、すべての人に関心をもってもらいたいことです。